LEOIMAI

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一番初めに、ポロっと卵が出てくる。
可能性と期待しか感じさせない、みんな潔白でピカピカの生タマゴだ。

やがて僕らが背負う過去や思い出は、トロッとベタつく、何とも可愛らしい黄身。
半端で未熟な卵からにじみ出るこの粘性高い液体は、甘い。そしてなかなか落ちない。

そして今現在、この瞬間、周りの世の中。堂々とブリンブリンに照りと弾力性の強い、固ゆでの現実。
こいつは強い。こいつは固い。こいつは旨い。こいつは隙がない。でもそこがどこか味っけない。

一番初めに戻ろう。生まれたての卵を取っ捕まえて喰おうとしない、としよう。
特別に期待も寄せず、その卵を快く受け入れてあたたかく見守れば、
今まで見たこともないくらい綺麗で七色に鮮やぐ極楽鳥が、パリッと殻を破いて、
今まで聴いたこともない様な野獣の音色を鳴らしながら飛び立つかも知れない。
これが夢の中の卵。